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海外便り「フランス編」

平成12年度フランス語学科卒業 寺尾恵さんからのお便りです。

【目次】
フランスで☆と暮らす(2009年1月)
マルシェ(2009年2月)
St. Valentine フランスでバレンタインデーを(2009年3月)
La paque 復活祭(2009年4月)
La Foire 春のお祭り??(2009年5月)
ご先祖様はどんな人?(2009年6月)
Le temps des cerises さくらんぼの実る頃(2009年7月)
Mon trésor わたしの宝物(2009年8月)
フランス流??ニキビの治療法(2009年9月)
フランスで聞く秋の始まりの音(2009年10月)
浮世絵、食後のお酒(2009年11月)
旅は道づれ、世は情け(2009年12月)
Bonne fête  師走!!(2010年1月)
家で回る世界の旅(2010年2月)
女房とタタミは新しいほうがいいのか?(2010年3月)
パック 復活祭(2010年4月)
5月は花(2010年6月)
バーゲンと露出狂、そして価値観変わる(2010年7月)
森の人たち(2010年9月)
冬の始まり、泣きっ面にストライキ(2010年10月)
あけましておめでとうございます!(2011年1月)
サン・バランタン、愛の取っ手とブリオッシュ(2011年2月)
アメリカのテロから10年、東日本の震災から180日(2011年10月) 
フランス在住 水口洋子さんからのお便りです。(2020年4月1日)
水口洋子さんからのお便り part2。(2020年7月7日)
水口洋子さんからのお便り part3。(2020年9月30日)
水口洋子さんからのお便り part4。(2021年1月12日)



フランスで☆と暮らす

 フランス“フランス語を勉強しようと思ったキッカケはなんですか?”
本当に良く訊かれる質問…理由がないわけではないし、話したくない訳でもないのだけど、私たちは毎日呼吸をし、食事をして生きていて、生きているわけだから進化もすれば新しい考えも浮かぶ。前を見て進む生き物でしょ。要するにその理由、今となっては「どうでもいい」ものになってしまった。ただ、せっかく勉強したのだから、一度は使ってみたい、とかフランス人と友達になってみたい、とか「せっかく」という気持ちは正直あった。

 その「せっかく」から私は今ここフランスで生活している。始まりは、まさに鶴の一声。

 ―フランスで日本人のいる日本料理店をやりたいのだけど、どう?行ってみる??

 いろいろな方面で日本人の活躍が目立つようなったなぁ、とか日本の文化とか考え方が認められるようになってきたなぁ(例えばエコ心“mottainai”とか…)、なんて感じ始めていたので、日本に生まれ、そこで暮らす事に正直、幸せを感じていた。一人暮らしをはじめて、約10年。仕事もある、友達もいる。好きなテレビ番組もある。満足していたのである。(ああ、ささやかながら幸せ…)

 “住めば都”って転勤族だった私たち家族の中で時々でてくるキーワード。やっぱりこれなのだろうか…いろいろ違いはあるだろうけど、そう“住めば都”!「せっかく」だから行ってみよう!!楽しんでみよう!!というわけ…そして、来てしまいました〜!!パリではない、ちいさな町での生活。文化、体験、感じることなどなどこれからたくさんあるでしょう。

フランス さて住むのは、れっきとしたミシュランの☆つきレストランの上!おまけにその横には同じオーナーのビストロがあり毎日にぎわっている。そして私の職場はその間!というわけで、フランスと日本の文化を、食を通して交換する日々を送ることになったのです。

 ところで、今日の天気予報…午前中の予想気温はマイナス6℃、午後になると上がって、0℃だそう。気候のおだやかな瀬戸内で生まれ、東京で生活していた私にとってはちょっと面白い温度帯…(確か、去年は東京ではとうとう初雪が観測されなかったような。)ここでは、時々降る雪は溶けるスキを与えられず、もう一週間前の状態で残っている。特に今年はとびきり寒いらしい。きくと例年の冬の寒さは3月までは続くとのこと…ただ屋根にうっすら残る雪はただただ綺麗。でも綺麗とばかりは言っていられず、めったに雪の積もらないマルセイユでは交通は完全に麻痺してしまったそうで…こんな長く厳しい冬を越すからこそ春の喜びが大きいのでしょう。今はみんなしっかり着込んで、寒さから身を守る為にふくらんだ鳥たちのよう、春を待つのでした。

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マルシェ

サンス市市場 サンス市市場地域性、文化の違いを一番に感じるのはやはり食文化の中心、市場でしょうか。例えば同じ日本でも関西、関東では市場で売っている魚の種類も違うし、好まれる食材も違うので、日本各地の人たちと知り合って、盛り上る点だったりするわけです。食文化というのはその土地でとれるもの、文化、宗教、歴史などなどが深くかかわって、混ざり合ったものだと思うので知らない土地で市場を訪ねるのは本当に楽しいものです。
 
さて、フランスに住んで、約半年。季節によって食材はどう移り変わっていくのだろうと、特に買うものがなくても毎週金曜日にはシェフにくっついて市場に向かいます。

 サンスという町のひとつの特徴にもなっているMarché couvert(屋内市場?)。通りにある市場とは違い、もう建物がそこにあって、中身が入れ替わります。ある時はアンティーク市場、またある時は古本市場…そして毎週月曜日と金曜日は食材の市場です。19世紀の典型的な市場だそうで、天井が高くレンガ造り、なんとも雰囲気のある建物でブルゴーニュ地方の色を感じます。
 中には、八百屋、お肉屋さん、魚屋さん、シャルキュトリー(豚肉加工品屋)、チーズ屋、パン屋、蜂蜜加工品屋などなど、ブースが連なります。もちろん、この地方の名物である、ハムとパセリをゼラチンで固めたジャンボンペルシーと、蜂蜜とスパイスの入ったパンデピスもあります。

 そして、その日はみんなマイカゴ持参で、市場でお買い物。時々知っている人にあったりすると両ホッペにキスの挨拶!スキンシップにいつまでもなれない私はドキドキ緊張してしまいます。

 小さなころからこのあたりに住んでいて、おばあちゃんとよく市場に買い物に来ていたというパジョナさんによると、サンス市広場「昔はこうして市場で買い物をした後にカフェでシャブリとパンとパテで話に花が咲いたものなのだよ。最近はスーパー派が多くなったけどやっぱりこうやって皆でおしゃべりするのが楽しいねぇ」ですって。

 ずっと開いているお店もレストランもなくて、ゲームセンター、カラオケもなくて、知り合いで集まる時はどうしているのだろう、と思っていたら、年末は皆お互いの家に招待したりされたり。そうそう、あなたが居て、私が居るなら特にゲームがなくても楽しいよね。となんだか今始めて気がついたような気がした年末を思い出しながら、そう思うとキスの挨拶に照れるというよりも暖かい気持ちをもらうのでした。

サンス市のホームページ→http://www.portaildusenonais.com/

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St. Valentine フランスでバレンタインデーを

・mon amour 愛する人
・mon cœur マイ・ハート
・mon(ma) cheri(e) いとしい人
・mon chou キャベツ
・mon trésor 宝物
・mon chat ねこ
・mon petit oiseau des îles 島の小鳥
・mon bébé d'amour いとしいベイビー

バレンタイン フランス人が、愛する人(恋人、奥さん、愛人も含む)に愛情をこめて呼びかける時の表現。ざっとこんな感じです。日本ではどういうの?と尋ねられても、私の知っているボキャブラリーでは到底すべてに対応する言葉は見つからず(意味はわかれど、日本ではそうそう言わないでしょう!!)、フランス人の、男と女、愛に関するボキャブラリーの豊富さに感心してしまいます。

 遅ればせながら2月14日はSt Valentineバレンタインデー(でした)。日本では女性から男性にチョコレートを贈り、想いのたけを伝える、というのが一般的ですが(←以前は)、フランスでは想いのたけは普段から伝えるのが当たり前なので、この日は”愛の日”。愛するという事を思いっきり楽しむ日だそうです。ここぞとばかりショウウィンドも派手なピンクや赤のディスプレーで飾り付けられ、お向かいの新聞屋さんの店頭にまで”バレンタインです!恋をしましょう!!”なんて文句の看板が登場!!もうお祭り気分です。

 この日は一般的に男性が女性をレストランに招待する日だそうで、私の働くお店も3週間も前から満席!隣のビストロでは照明をおとして、テーブルの上にもハートをてんこ盛りにしてお客様をお迎え…そして、お料理もバレンタイン・スペシャルメニューとしてハートいっぱい!そして、この日のためにホール担当のギーさんが満を持して準備したのは、ブルゴーニュのクレモン(=ブルゴーニュで造られる発砲ワイン。シャンパーニュと呼ぶことは許されていない)と生姜のシロップをわったカクテル。その心は?と尋ねるとフランスでは生姜を取るとパワーがみなぎってくるからだそう…。日本でいうマムシとか、ウナギのようなものと言っているのでしょう。科学的根拠があるのか分からないけど皆こう信じているみたい。そういえば以前に推定80歳のおじいちゃんが「医者に人参をすすんで食べるようにいわれているんだ…どうしてかって?それはもちろん、人参は人を魅力的にするからね!!(ウインク)」だと。うん、さすがフランス人!健康に関する情熱もカッコヨク居るためなら、なおさら沸いてくるのですね(笑い)!!

寺尾さんのブログアドレスです。
パリ発☆本場フランス料理! ご興味のある方はのぞいてみてくださいね。

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La paque 復活祭

 復活祭なんだか急に春めいてきたな、と思っていたらこちらでは先月、3月の29日から夏時間になりました。この日、夜中の12時が同時に夜中の1時になりました。なれない私にはなんとも不思議な感じ。仕事終わり皆で、夜中のステックタルタルと生牡蠣に舌鼓。おしゃべり。夜中0時に始め、1、2時間…なんともう3時!!なるほど、時が経つのは速いものですが、夏時間になる日はこうも速い!!フランス国内に居てちょっとした時差を体験するのです。

 夏時間、ついこの間まで本当に寒かった。なのに気がつくと、最近そういえば夜も8時くらいまで明るい。そういえば、2週間ほど前からいっせいに花が咲き始めた。

復活祭 そして、巷ではまたヴァカンスに入るらしい。今度のはヴァカンスドゥパック。復活祭のヴァカンスなのです。キリストが亡くなった3日後に復活したことを祝う宗教的な休日で毎年日付が変わります。また、細かくは宗派によっても違うらしい。ややこしいので近くのお菓子屋さんの看板に従うと、今年は4月の12日らしい。町にはウサギや卵をかたどったチョコレートがあふれています。卵は誕生、ウサギは多産の象徴なんですって。日本では犬ですよね。

 一般にはキリストの復活にまつわるものだとされていますが、こうも一斉に咲き始めた花や芽吹く木々を見ると、ギリシャ神話の春の女神を思い出します。この女神のおかげで昔々は冬なんかなくて一年中が春だったのだと。
ところがこの女神がさらわれてしまい、地上には春がなくなったと。その後、1年に数ヶ月間だけこの世界に戻ってくることを許された、この女神がいる間は鳥が歌い、花が咲き乱れるのだという神話。わたしには復活祭は春の復活でもあるように思えるのです。

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La Foire 春のお祭り??

サンス 木々が一気に芽吹き春を実感するこのごろ、アパートの玄関先の芝生はしっかり短く刈られても3日後にはちょっと伸びすぎかな…というところまで復活し、白い小さい花や、タンポポ、クローバーがもこもこと生い茂ります。先日から3日目になる雨で人間がうんざりする一方、彼らはここぞ、とばかりしっかり水を飲み栄養を溜め込み、またお日様が出たら一気に伸びる気なのでしょう。

 サンスの歴史は確かローマ時代にさかのぼり、そういった町によくある円形をしている。円形に城壁を築いて町を囲み、敵の侵入を防いだそう。たとえばパリもそう。人口が増えて手狭になってくると、さらにその外側に囲いを作りなおす。そのパリの最初の壁は今でもトゥール・ダルジャンの地下のワインセラーで見ることができる。2mの厚みがあり、昔は町を、今ではワインたちを地上から伝わってくる現代の騒音、揺れから守っている。

 さてさてサンスではその壁だったところが散歩道になっている。マロニエの並木の間をどんどん進むとヨンヌ河に出会う。もし船をお持ちならこの河を下っていくとパリに着くでしょう。そう、ヨンヌ河はセーヌ川へと名前を変えるのです。そしてこの散歩道に沿って、公園を抜け、噴水とお花を見ながら歩を進めるとまたもとの場所に戻ってきます。

 この散歩道で4月30日から5日間だけ開催されるイベントが、La Foire (ラ・フォアール)といって、中世に起源を発する、商人たちの販売促進のための大市場なのです。サンスでは第二次世界大戦の後、まだ大きなスーパーや、年中開いているお店がなかったころ年に一度の大きな市場で必要なものを買い出していたんですって。散歩道をグルっと一周、すべて屋台が埋め尽くし、それぞれがそれぞれに思うものを売るのだそう。これがブルゴーニュで一番大きな市場だそうで、みんなもう、ソワソワ。

 もともとはそう言った市場だけだったのでしょうけど、それに便乗して移動遊園地もやってきて(なんとなくイブ・モンタンの映画ギャルソン!!を思い浮かべます)、サンスこちらは市場が開く前からすでに営業中!!観覧車、絶叫系、回る系などそんなに多くはないのですが、驚いたのは電飾のすごさ…!それとグルグル大きく高く回っている絶叫系アトラクションの真下を通行人が行き来しているのです。なかなか日本では見ない光景…危なっかしいですもんね。違った意味で絶叫してしまいそうです。

 この時期は、みんな家族、友人、新しい彼女、彼氏と連れ立ってお菓子を食べたりゲームをしたり楽しそう。そうそう、このゲーム、日本ではゲームセンターでよく見るコインゲームだったり、ユーホーキャッチャーだったり、エアーホッケーだったり。意外とお馴染みのものばかりなのです。なんとなく、図らずも日本にいるような気分になってしまいました。

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ご先祖様はどんな人?食事風景

 フランスは色々な人がいます。日本でももちろん、色々な人はいるけど、フランスでは人種、民族いろいろ、です。

 日本みたいな島ではなく、いくつもの国に隣接する大陸に位置し、戦争で減った人口を移民で補い、奴隷制を経験し、いつしか混じりけのないフランス人は一部の貴族を除いてはいなくなったと聞いていたけれど、どれほどのものかは実感なし。周りを見回してみると、髪の毛、肌、目の色だけにとどまらず、面長、丸顔、引き目、アーモンド目、丸目、直毛、猫毛、縮れ毛、足の長い人、短い人本当にいろいろ。

家系 身近なところでうちの彼の家系について質問これが彼のうちの簡単な家系図一番下のMOIと言うのが自分のことなので、すぐ上がお父さん、お母さん。

 解説するとお父さんのお母さんがスペイン人。お父さんのお父さんはロシア人のお父さんとフランス人のお母さんとの子供。
家系図
 お母さん側を見てみよう。お母さんのお母さんはフランス人だけど、お父さんはイタリア人。まとめると彼の血は3/8がフランス人で、1/4がイタリア人。同じく1/4がスペイン人。そして、1/8にロシアの血が入っているんだそうだ。なんともややこしい話。そして、色んな国の人の特徴をちょっとづつとってうまれたのが彼なのだ。

 ところで、家族を大切にするフランス人たち。頻繁に家族で食事会をひらく。フランスの母の日は6月の第一週の日曜日。ちなみにお父さんの日は2週目。家族親戚で集まって良いお天気を利用して、お庭でパーティー!!

 みんなでプレゼントを持ち寄り楽しい日曜日を過ごしたのでした。さて来週はお父さんの日パーティー。離婚率の本当に高いフランスなので、母の日に一緒に過ごした家族とは別の家族と父の日を祝うことも頻繁にあるそうです…。なるほどねぇ。

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Le temps des cerises さくらんぼの実る頃さくらんぼ

 先日お邪魔したお宅のお庭で。前菜のタブレ(クスクスのサラダのようなもの。クスクスは世界最小のパスタだそうで、セモリナ粉からできている。見た目はまるで粟の様。おいしいからと食べ過ぎるとおなかの中で凄く膨らむ…)を食べ過ぎてデザートを食べられなかった私に、お腹に余裕ができたら食べたらいいよ、と指差す先にさくらんぼのタワワになった木。

 日本に桜の木はいっぱいあれど、あまり実が生っている様を見たことがない。感動して、心の中で軽快に鳴り始めるアコーディオンのイントロ。頭の中にはさくらんぼの実る頃がゆっくりとしたメロディーを奏でる。

 日本では加藤登紀子さんの歌うのが有名だと思います。どうしてだか5月の歌と思っていたので、6月の終わりに近いこの時期に実るさくらんぼを見ることができてなんだか得をしたような気分に。失恋の悲しみ、恋の儚さを歌ったものだそう。さくらんぼのみずみずしい、ほのかな甘さにピッタリ。かすかな甘みが物足りなくて追いかけてしまいそう。

 この季節、忙しさにかまけ、すっかり忘れていたのだけど、実は、6月26日で私がフランスに来てちょうど一年だったのです。流れる季節を必死で追いかけていたら気づかぬうちにとうとう一年たってしまっていた…。なれないことの連続、発見の毎日。本当に、本当にめまぐるしい一年だった。迫ってくる水を飲み込み、すぐに後ろに吐き出すような、魚のような感じ。そして、また水を飲む。この一年の淡さはまさに、このさくらんぼの味。

 これからもこうやって続いてゆくのでしょう。場所は変われど、一見同じ様な毎日を送っているようでも毎日は、みずみずしさ、甘酸っぱさを運んでくる。

 今のところ、私がフランスで学んだことは、友人、家族の大切さ。どうしてだろう、日本をはるかに離れ、何千キロも旅をして学んだことがこんな基本のキ、だったとは…!!どうやらどうやら、まだまだ学ばなければならない事が山ほどありそう…と思う30歳の初夏なのでした。

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Mon trésor わたしの宝物子猫

 先日家族がふえました。子猫です。

 母は猫が好きで、私の知る内では実家には常に猫がいて、その状態に慣れているもので日本で一人暮らしをしている間も是非縁があれば飼いたいなぁ、とは思っていたのですが、なかなかどうして、これが難しい。一人暮らしといえば大概はマンション、アパートだし、そうなると大家さんの了解が要るだろうし、もちろん隣人に鳴き声や臭いで迷惑をかけるわけにもいかないので、実現せず。

 ところがフランスで私の知る人たちのなかでは猫を飼っている人が意外に多くて、壁紙やデコレーションを住む人たちでアレンジするのが普通だから、賃貸といってもそれほど心配がないからかしらと思っていたところでした。(実際日本では柱や壁を汚すのが怖かった!)

 さて、知り合いのところで猫が生まれて貰い手を探しているというので、いってみるとなんと20匹もの子猫が重なるようにもごもごと…それじゃあ、何かの縁なのでと一匹引き受けることに。こうして、同居人がふえたのでした。

 名前を早速考えなければ…周りの人のリクエストで日本らしい名前を考えることに。最初に思いついたのが“タマ”。それと黒猫なので“クロ”。クロはフランス語で当て字にすると“CLOS”ちょっとした囲われた土地なんかを言うそうで、よくワインの名前にもついてる。シャブリのグラン・クリュにもこの名前のワインがあるし、いいかな…と。まあ、結局はタマになったのですが…(クロは皆さん良くご存知の発音なので面白みがなかったようで…)

 日本でタマというと猫の名前ですよね(とにかく犬ではないかな)。深く考えたことはなかったのだけどどういう意味?と聞かれると答えない訳にはいきませんよね。タマ…丸いもの、宝物、美しいもの。なるほど、なるほど、ほかにも広辞苑を引いてみると“美しい女”というものありました。どうも昔から座っている猫を見ると着物姿のたおやかな女性を連想してしまいます。それじゃあ、メスだしちょうどよかったかもなんて納得。どういう意味?と訊かれるたびに、“trésor!”(宝物)と答えるのでした。

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フランス流??ニキビの治療法

 一週間くらい前には汗ばむような暑い日もあったような気がしますが、どうも2、3日前から急に秋らしくなり、朝晩には寒いと思うほどの温度になりました。しかも今日、昨日と1時間ほど雨が降ったり、冬を連想される天気模様です。というわけで、そろそろ冬支度をしなければ…と考え中です。

さて話は変わりますが、ニキビに悩む友人が一人いまして、彼から相談を受けました。私の周りのフランス人にっとって、日本人は…

1) マッサージができる 2) zen(禅)だ。=イライラしたりしない 3) (当たり前のことかもしれないけど、)自分たちとは違う方法を知っている…と言うことらしいので何というか東洋の健康に対するコツでも聞きたかったのでしょう。

一般的にニキビができたら皆さんどうしているのでしょう。体質からニキビのできにくい私はあまり詳しくはないのですが、刺激を与えない為に触らないこと、洗顔で清潔に保ち保湿をすること。バランスのよい食生活を心がけ、それでも駄目ならお医者さんに相談。かな、と思っています。

ではフランス人はどうするのか…
 1) レモンをすり込む(トマトも効果的) 
 2) 歯磨き粉をつけてそのまま乾かす。

 …なんとも意表をつく答え。効果のほどは定かではないけれど、所変われば変わるもんですねぇ…

 こんな具合に彼らには彼らなりの考えがあるんですね。これには驚きましたが、もう一つ驚いたことが…

 以前に家事の手伝いを頼まれた際にバスケットにてんこ盛りの洗濯物を渡され、アイロンをかけるようにお願いされたのですが中になんとジーンズが…

間違いかと思っていたのだけどどうもこちらの方、Tシャツにもポロシャツにも念入りにアイロンをかける、どんなに高価なものでもしわのよってるTシャツはダサイと非難の対象になるのです。…なるほどねぇ、きっとこう言う所にもフランス人の美意識のおきどころがあるのでしょうね〜お金をかけずに手間をかけるといいましょうか…

なるほど、なるほど。


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フランスで聞く秋の始まりの音パリの風景

 どうも人生の変わり目(大袈裟かも…)と言うのは急にやって来るようで、気がついたら大忙し。 

 2日ある休み以外は朝から晩までお仕事。この2日の間に色々としないと行けないのでどうもバタバタとしてしまいます。転職し、車を買い、彼が仕事で急にロンドンに旅立った。

 急だったものでアパートを見つける間もなく暫くはオーベルジュ・ド・ジュネス(auberge de jeunesse …“若者の宿屋”と言う意味でしょうか、大部屋でベッドが何個かあり、シャワー、トイレは共同。料金はもちろんホテルよりは断然安いらしい)に滞在。その間にこちらからアパートを探す…と言う役目を仰せつかってしまった。ネットを使い、交通機関との距離、環境、など考慮に入れつつ探す(これも勝手知らない土地ので一から始めなければならない)。目ぼしいものがあったら電話をしてアポイントをとる(さすがに普段使い慣れていない言語でのコミュニケーションは辛い…何よりも緊張します)。彼のお母さんと私のダブルで探し、結果的に見つかったので一安心。

 車を買ったら買ったで手続きをしなければならない。役所に行けば行ったで「午前中は臨時でお休みします」なんて張り紙が出ているし、必要な書類が何なのか知るためにまず何度か通わないとならないし(と言うのは昨日と今日では要るものが違う…なんて信じられないような話がままある為。)。

 こんな具合で丸一日使って完了しない事もよくある。そう言う訳なので数個の事を同時進行しなければ全部終えるまでに来世紀になってしまいそうな気さえします。

  フランスで はじめに学ぶは マロニエ
          辛抱なり 

 なんちゃって・・・


 さてそんなこんなでバタバタしているうちにドンドン季節は過ぎていたようで、並木が紅葉し、マロニエはしっかりした実をつけていた。

 急いで通り過ぎる道すがら、車のボンネットにゴン、と何かが当たる凶悪な音…道路わきに並んだマロニエが一年の成果を見せ付けるように栗に似た大きなその実を落とす。

 秋は大きな音を立ててやってきた。並木沿いに車を駐車するのはよしておこう。と一人思う秋の始まり。


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浮世絵、食後のお酒パリの風景

 2ヶ月程前に販売業に転職し一週間のうち5日はパリで過ごす日々を送っています。日本からの旅行の方何人もと話す機会が増えました。

 モンサンミッシェルに行ってきました〜、とかベルサイユ綺麗ですよね〜とか色々おっしゃいますが実は私行ったことないんです!!転職して休みも週に2日いただけるようになったのでそろそろ…と思いながらアパート探しにほとんどの時間を割いているのでまだもう少し行けそうにありませんが…。

 お店には各国からのお客様がいらっしゃいます。私は日本で30年近く生活したので日本の事はよく知っている“つもり”ですがよその国の人(特に私が話すのはフランスの人が多いです)は意外と分かっていないようです。

 寿司が有名なので(もっともフランスでお寿司屋さんは中国系の人が経営している事が多いようで私の知っている寿司とは一味もふた味も違ったものが味わえますが…)ほかのお料理も…と思うとよっぽどの親日家の人しか知らず、時々中国料理との違いを尋ねられるとどこから説明を始めるか、うなってしまいます。

 ところでフランスで通じる日本語がいくつかあります。

 たとえば 酒、折り紙、布団。

 酒はだいぶ前から通じる日本語の一つですが、必ずしも日本酒ではないので注意が必要。中国料理屋さんにて食後酒として火のつくような強いお酒をお猪口に入れてサービスしているので有名なようです。(ちなみにこのお猪口、仕掛けがあって、液体の入っているうちは屈折作用で底の写真が見えるようになっています。大抵目を覆うような大胆な女性または男性の写真。飲んでしまうともう見れません。残念と思うか、よかったと思うか)

 折り紙はむしろ世界的に有名ですよね。

 布団(フュトンと発音)は折りたためる薄いマットレスのことをこう呼んでいるみたいです。きっとどこかの家具屋さんが日本流行にのって売り出したのでしょう。

 こう見てみると、通じるとは言え必ずしも同じものとは限らないようです。

 そういえば、先日フランス人と浮世絵の話をしました。なるほどゴッホやユトリロなど有名な画家の中にもこの影響を受けた人がいますしね、北斎、歌麿、広重は時々展覧会も開催されているようですし、知っている人がいるのもまったく不思議ではない…とこのあたりの話かなと早合点していたら、日本にもインドのカーマスートラ(性生活について事細かく書かれている書物のようですよ)のようなものがあるんだよね〜と切り出されておどろいた。その存在、知ってはいたけれど日本でもそんなに有名ではないと思っていたので意表をつかれました。

 まだまだ日本の事は把握されていないようで神秘的、エキゾチックなんていって、興味は持っている方が多いいようですけどね…
まずは自分がよく知らないと、と日々思います。さてさて明日はどんな発見があることか…


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旅は道づれ、世は情けパリのイルミネーション

 ブルゴーニュ地方の北のはずれ、パリから南東に120km。こんなところに私の住むサンスという町はあります。古くはゴール人の町として起源をおこし、対戦中はドイツになったこともある町。一番の見所といわれているのはカテドラル、サン・テチエンヌ。1120年に着工され世界で一番古いゴチック建築。このカテドラルの修理をする際に掘り起こされたローマ時代からの遺跡が展示されている博物館もなかなか見所。

 この町から毎日6000の人がパリに上る。幸いにもパリ・ベルシー駅までの直通電車があるので40分でパリに。それを逃すと各駅の電車で一時間半の電車の旅。それでもパリは息が詰まる(家賃が高いので狭い家になってしまうのと郊外に比べて自然が少ないから)と毎日の旅人がたくさん。

 私も例に漏れず旅人です。旅人の多くは家を買ったから…という人も少なくないですが、私の場合はちと事情が違う。家がみつからないのです。家を借りるのに3ヶ月分の給与明細が必要なので少し様子をみて2ヶ月ほど前から探し始めたのですが…まあ、もう少しの辛抱でしょうか??

 そんな通勤電車でフィリップさんと知り合いました。なんと彼は日本語を話すのです!30年程前に柔道で来日されたそう。今では本人曰く”おじいさん”(なんのなんの!!)になった彼ですが今では週に3日パリで子供たちに稽古をつけているそうです。フランスは柔道がとっても強いし、柔道人口も日本よりも多い人気のスポーツです。世界選手権でのルール変更、彼なりの武道に対する考え方も興味深い。そして素人の私にもっとも興味深かったのが帯の色。フランスには黄帯、赤帯、しましま帯などあるそうです。日本ではあまり聞いたことがないですが…(しかも早口言葉のよう…)。

 それと技の名前などはほとんど日本語のまま。それを聞いて、子供たちがフィリップさんを”師匠!!”と呼ぶのを想像していたら、なんと簡単に”フィリップ!!”と呼ぶのだそうで、なんとなく肩透かしをされた感じ。本人もそう呼ばれるのを好んでいるよう。実は私も武道をしていたので先生を名前で呼ぶなんてショッキング!!なんですが、どうもフランス社会を見ているとどこそこで早めの世代交代がされていて、年配者はその道を譲りつつもサポートをするといった感じです。道を譲った彼らは彼らで早く楽になってラッキ〜!てなもんです。

 こんな具合に電車友との尽きない会話がつづくわけです。

 さて町はどんどんクリスマスムードになってきてイルミネーションも始まる準備がされたり…その辺は日本のほうがいち早かったかな?これから新年に向けてバカンス、ご馳走、パーティーなのですね!!

 ちょっとはやめですが、よいお年を。そして来年が(世界中で)よい年でありますように!!


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Bonne fête  師走!!

 12月のことを師走といいますね。師が走るほど忙しい月だと…師とはどこの先生か、お師匠さんなのか分かりませんが文の流れから読むと普段はよっぽどのんびりした人だったのかな??
 
 なんて実際には考える暇もないくらいまさに忙しい2009年最後の月を過ごしました。

 まずは引越しをする為に広告やら何やらを見て電話をしてアポをとり…というところから始めとうとう12日に引越し(パリから電車で30分のムランという町に引っ越してきました!)。したと思いきや引越しの片付けも終わらないままクリスマスへと、まさに突入した感が…。

 クリスマス直前の休みに全員分の(今年は少ないらしく8名でした。)プレゼントを用意し、24日の仕事が終わってからフランスの家族の家へ!!

 自家製アペリティフ(生姜シロップとクレマンという発砲ワインのカクテルにライチを入れたもの)とおつまみでおしゃべりを楽しみ、前菜は生牡蠣と海の幸。実は前菜が終わった時点ですでに23時を回っていて、この後のメインのお肉はごく一部の強靭な胃袋を持つ人だけが堪能したのです。

 深夜の0時をまわったところで、通常は25日のイベントであるはずのプレゼント分配。思い思いに思考を凝らしたものを未来の持ち主たる人に配り、にぎやかに開いてああでもない、こうでもないと、みんな年は関係なく子供のよう。食べて、おどって、おしゃべりして…ようやくメインをパスしてのデザートにたどり着いたのは夜中の2時。そして、パーティーは3時にお開きとあいなったわけです。

 そしてクリスマス本番の25日はのんびりと質素に食事をして、穏やかに解散するのだろう。…と思っていたのですが、また始まりました、パーティーが…。しかもみんな前日の疲れが残っていたので、集まりが遅く、15時から!!そしてまるで前日の再放送のような、食べて、おどって、おしゃべりして、のパーティーが!!

 家族(といっても幅広く、親戚、娘の彼氏、のまたおじいちゃん、おばあちゃん、そして、とある日本人)で集まり皆で楽しく過ごす。プレゼントも決して、高価なものではなくただ、その人を思いやって工夫して買ったもの。お料理も上手に買ったり作ったり。決して無理はしない自分たちの出来る範囲のものを用意して、楽しむ。ああ、すばらしい。この人たちのこういうところが私は好きだ!でも、皆さんの体力と胃力には驚きました。ただ純粋に本当に楽しいノエル(クリスマスのことをフランス語ではNoëlノエルと言います。サンタクロースはPère Noël ペール・ノエル)を過ごしました。

 その後ですが、私は当然次の日も仕事。年末を一緒に過ごそうとリヨンからそば持参で駆けつけた日本人の友達と年末を過ごし、今年もいい年になりますように…と願い事をした矢先2日の朝には車上荒らしに遭い、となかなかの波乱の幕開けの予感。厄年なので当然なのかなぁ、とおもいつつ、今年もいい年になりますように、幸せがたくさん訪れますように、と願います。

 仕事があって、お給料がもらえて、家があって、と平凡な幸せを願えば願うほど、そこには世界平和が必要なのだと強く思います。毎年初詣には?幸せが訪れますように?と願ってきましたが、以上の理由から今年からは手っ取り早く、世界平和を願うことにします。

 ささやかな平凡で基本的な暮らしが誰にでも普通に手に入るように世界が平和でありますように。

クリスマス写真

 クリスマスの前に通りかかった教会の前にはイエスの誕生シーンを表すクレッシュという飾りがありました。
 ただ肝心の主役をのぞいて・・・
 26日に通るとイエスがちゃんとそこに!!


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家で回る世界の旅ボルシチ

 フランス連続滞在もかれこれ1年と半年になりました。

 最近はほぼ毎日通勤にバスを使いますが、先日そのバスの中でふと思いました。
「さすがフランス、外人さんばっかりだなぁ〜!!」

 としばし感心した後、馬鹿だなぁ!と自分を笑いました。だってそう思っている当人が?外人さん?なんだから。

 バスの中の人たちの国籍は見た目からではわかりません。さまざまな肌の色の人が一台のバスに乗り込んで、駅に向かいます。移民としてきた人、政治亡命、出稼ぎ…いろんな人がいるのでしょう。

 いろんな国出身の人達の集まる国なので、たとえばパリの中でも20区はトルコ人、13区は中国の人達の多い地区といった具合になんとなく町の特徴があるようです。日本は2区のオペラ座界隈。すし、うどん、ラーメン、お好み焼きなどのお店が軒を連ねます。日本よりも随分と高いですが、日本食材を売るスーパーも数件あり、お刺身や、カレールーだって買えます。

 だから、毎日何を食べてるんですか??と日本からの旅行者の方にきかれると、日本食材は買えるんですよ〜、となります。

 因みに、私の知るフランス人の食事はシンプルなものが多く、例えばサラダとハムから始め、フライパンで焼いた豚肉にマスタードを塗って食べる、など。

 私はというと、一年間は得にご飯が食べたくなったりもせずにいたのですが、さすがにこう寒いとおなかの中から温まらないと冬を越せそうにないな、ということになり、最近はもっぱら各国のお米で炊いたアツアツのご飯をいただいています。

ビート 一通り日本、韓国あたりのアジア料理で満足したあと市場にいくと、いかに食べたことのない野菜がまだまだあることか!!これではいかん!と自分にカツを入れ今回はBetteraveベトラブから始める事に。

 辞書には甜菜とかビートと載っています。生のものは5月から9月にお目にかかれますが、火を通して真空パックしたものが一年中買えます。シンプルにはドレッシングで食べたりもするらしいですが、今回はボルシチにしてみました。

 ボルシチと言えばロシア!な感じですが調べてみるとロシア以外の国でも広く食されているお料理で各地方によって具が代わるようです。日本のお雑煮みたいですね。ただ基本はどれにもこのベトラブが入っているので赤いスープです。サワークリームを添えるのも特徴のようですよ。
ロシアの基本レシピはベトラブの他に豚肉、キャベツ、にんじん、たまねぎ、トマトだそうです。

 今回はキャベツを買い忘れたので代りに豆とジャガイモを入れ、香草なんて刻んで仕上げにあしらってみれば綺麗だっただろうなどという反省点がありながらも、作り方が簡単だった割にはおいしくて、体がホカホカと温まるご馳走スープとなりました。と言うわけでこれからも我が家ではたびたび登場しそうな予感。

 春まで一ヶ月ほど。いっせいに芽吹く緑を思い浮かべながら、外は雪が降って寒いので家の中で鍋から世界への旅に出ることにしますかね…


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女房とタタミは新しいほうがいいのか?復活祭・パリの夜景

 キリストの復活を祝うパック(復活祭)が近づいてきて近所のスーパーでウサギや卵の形のチョコレートを見かける(どころか特設コーナーにてんこ盛り)ようになったからでしょうか、春が益々身近に感じられるようになりました。

 三寒四温といいますが、こちらでも先週そのような天気で晴れると特に風の強い日が多く、そんなにウスッペライ人間のつもりはありませんが先日は本当に飛ばされるかと思うような日がありました。そして、映画「タイタニック」の沈没シーンのような金属のきしむような音を聞いて、怖くて立ち止まった私のすぐ横に止めてあった車に、なんと屋根の上のアンテナが降って来た時には流石に驚き、身震いしました。そして、その一日の終わりの帰り道には一日中吹いた風の存在感を示すように、鳩よけのとげとげ、直径3㎝から5㎝の丸い苔の塊が子供のおもちゃ箱をひっくり返したように不規則に道中にちりばめられていました。

 フランスに来てからしばらくして散歩をするようになって、例の丸い苔だまを道すがら見つけるようになったのだけど、見回してみると特に自然の只中でもないので、いつも”突如”として現れるこれに不思議…を抱いていたのだけど暫くして部屋から下の屋根を眺めていて同じものをたくさん見つけ、なぞが解明された。

 このムランも基本的には、サンス同様に古くからの町の中心部はほぼ昔のまま、外周に新しい町を足してゆくスタイルなので、中心部の建物は200年からのものらしく(今度その辺を訊いてみよう)屋根の葺き替えなんて言葉がないのかも知れない。ホカホカと太陽を浴び、時には強い風に吹かれ少しずつ育った年代ものが普段は気にも留めない屋根にいっぱい乗っかっているのです。

 「女とワインは年を重ねるごとに味わいが増す」…のようなことを時々耳にしますが、その度に日本の「タタミと女房は新しいほうがいい」という言葉がふっと脳裏をよぎります。

 もちろん前者はフランス人の言葉。誰からということもなく一般論です。なるほどフランスで古いものを探すのは容易で、私も知人からアンティークのお皿のセットが倉庫に眠っていたからと引越し後に必要だろうと”一時しのぎ”で譲りうけました。
何という幸せ。長くフランスのアンティークのものに引き付けられていたので本当に幸せ…ですが、くれた当人、その姉妹はどちらかというと倉庫が片付いてよかった~的な感じでした。
実際アンティーク屋さんで商品の出所を聞くと個人宅に呼ばれて、倉庫を空にするのだそうです。

私が思うに地震のないこの国ではこういったものは〝残ってしまう〟のでしょう。彼女たちが使っている食器はモダンだけど、(失礼を承知の上で言ってしまいますが)百均で売っていそうなものばかりです。実際に値段も高くなく、時期が過ぎれば捨てるか他人に譲って、また流行のお皿を揃えるようです。

結論、長年アンティークと呼べるものに囲まれてきたので飽きたのでしょう。では私はその間このアンティークたちを守ってゆくことにしますかね~


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パック 復活祭復活祭

 復活祭をフランスではパックと呼びますが、パックは『春分の日の後の最初の満月の次の日曜日』なので毎年日にちが変わります。で、今年は4月4日でした。クリスマスと並んでフランスでは家族で過ごすものらしく、毎度毎度のことながら私も参加させてもらってきました。
 今回はトネール(TONNERRE。シャブリの近くの町)集合。ご飯を食べてワイワイ。 有名な観光名所があるというのでたずねることに!

 Fosse Dionne(フォッス・ディオンヌ)。一秒間に200リットルの水が出ているそうで、写真にない側はゴウゴウと滝のよう(といってもそれぼど高低さはありませんが…)。比較的近世には洗濯場(lavoir)として使われていましたが1958年にこのように改装させるまではガロロマン時代から人々に飲み水を提供していたそうです。

 復活祭名前のDionneはイタリア語のDivona(←フランス語での意味は〝神の〟)からだとかDioné(←ギリシア神話から。女神の意味)からなのだとか…(wiki)
 
 おそらく水を通さない石灰層の高低さによるものなのだろうけれど、調査しようとしたダイバーがおぼれたり(どうやら水源の狭さや窒素量の何とかで技術的に無理なんだそう)、今現在はっきりとは解明されていないそうです。

 とにかく不思議の湧き水。しかも水が青い!!

 

 さてそれから本日教会でワインの試飲会が開催されているということで、これは!といってみました!!

 6ユーロを支払って試飲用のワイングラスを受け取り、会場内へ。こんな具合に賑わってます。誇り高き騎士達もやってきています。

 面白いものを発見! ガラス球の中に革靴!!
 復活祭 復活祭 復活祭 復活祭

 隣にはキノコ、木苺、レグリス(甘草?)、木の実などそれぞれに入っていて、これはワインの香りを表現するときに使うものばかり。順番にかいでみよう。中には真っ黒で中身がわからないものもあり。答えはスタッフに聞いてみよう。
※こういった形状のものに顔を近づけると、小学校のころ水道の蛇口から水を飲んでいたところ、馬超脇君に後ろから顔を押しはたかれ前歯の上歯茎に蛇口型の怪我をしたのを思い出し、寒気がする。こういうのをトラウマというのかな???

 
 復活祭それからさすが復活祭。

 子供たち用のイベントも開催。みんなで力を合わせていたるところに隠された卵を探すのだ!!

 集めた卵を天秤にかけて、集まったと確認されてからプレゼントを配ります。
 
 復活祭ただどうやらワナがあったらしく、コインの入った袋を三つ見つけ出さなくてはならない。

 ところがこれがなかなか出てこない。中にコインを入れるからジャン、と思いつつ見守ると御父兄からこっそりとコイン袋を渡された子が提出して解決。見つけていたのは参加していた子供ではなかったのだ。

 おいしい話には裏がある。なんとも痛い教訓を子供のうちから叩き込まれるのか…

 がんばれ子供たち。夢と現実のしっかり混ざったパックなのでした。

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5月は花すずらん

5月になって、冬のように寒い日もありましたが基本的には天気もよく穏やかな天候で、日によっては夏の様に暑い日もあり、町には平日から人があふれ、太陽を楽しもうとぶらぶら歩き、パリブラです。天気のよい暖かい日でも朝晩は冷えることもあるので春のコートは手放せませんが、コートを羽織っている隣の人がノースリーブ、短パン、サンダルであったりと自由なファッションの国を実感させてくれます。

そういえば、数年前の5月1日に、銀座の西部デパートの前に特設した花屋さんに「この日は親しい人と鈴らんを贈りあうんですよ」と鈴らんの寄せ植えを勧められたことがありましたが、どうもこれフランス(だけかどうかは不明です、どなたかご存知でしょうか?)の習慣らしい。4月の終わりにニュースで「今年の鈴らんは最高デース!」となんだかボジョレーヌーボーのシーズンのパロディーのような生産者のインタビューが放映されるのをみました。

どんなものかと出勤ついでに気をつけて見る…までもなく何処そこで机一個だけの特設露天を(いやおうなく)発見。ちなみにお値段は小さな花束で1,5ユーロ、もう少し豪華になって他の植物を寄せてあったりすると4,5ユーロほどに。
因みにこのお値段去年ブルゴーニュのサンスでは1ユーロからだったのでサンスとパリ郊外のムランとでは0,5ユーロの値段の差が…。パリに登ると更に0,5ユーロづつアップ。
この値段の地域差、ちなみにコーヒー一杯の値段も同様の値上がりっぷりなのです。さすが都??

すずらんさて、去年よりはフランス語のレベルも上がっているはずなので、今年こそはと意気ごんで由来を尋ねることに(去年も同じ質問をしたのだけれど今一ググっと来る答えに出会えなかったので)。ただでは悪いので赤十字フランスのおじさんの特設露天鈴らんを購入。余談ですが、私はフランスでモノを尋ねる時、何かを頼むとき、本当に困った時は可能な限り男性に白羽の矢を立てることにしています。彼らは時として、信じられないくらい親切、親身になってくれます。私の偏見かもしれないですがそれに比べて女性は時として、本当に本当に冷たい事が多いのです。理由は私が女性だからというだけではない何かある感じです。これはあくまでも経験に寄る私の偏見ということで意義のある方もいらっしゃるでしょうが…軽く流してください^^;

話がそれましたが、この例に漏れず親切な男性は自分ひとりでは手に負えなかったか、見知らぬ道行く人まで捉まえて由来を探してくれました。彼らの出した答えは春一番、5月の花と言えば鈴らんなのだ、と。この時点で実は私、もはや本当の由来を知ることよりもいかに彼らが困って答えを練りだすのかを見る方がなんだか楽しくなっていました。彼らはビックリするくらい軽く知らない人に話しかけます。聞かれたほうも驚くでもなく、えーと…考え始めます。とうとう鈴らんの由来を考える会は総勢6名に。大の大人が出勤時間帯にまあるくなってあーでもない、こうーでもない…彼らは本当に人と話すのが大好き、きっと理由などどうでもいいのだ。

5月は鈴らんの花で幕を開け、5月最後の日曜日に母の日の大輪の花束で幕を閉じる。普段の日曜の朝は車どおりも極端に少なく静かなのだが、この日は花屋の店頭にうずたかく積み上げられた花束のために行列。あんな大きなの車のトランクに入るのだろうか?幸せな疑問とともにあっさり幕を閉じました。そうそう、母の日は国によって違うようですね。

気がつくともう6月。今月は父の日。これを意識してか、地下鉄構内の広告は母の日のプレゼントを提案するカラフルなものから一気にメカ系やお酒中心の地味なものへ。そして何よりも月末の水曜日から全国一斉に始まるバーゲン!!本当に楽しみです。そして、私はというと今月から英語の授業をとり始めたので暫くは勉強に忙しくなりそうです。さてさて〝一生勉強〟のスローガンを掲げてがんばりまーす!!

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バーゲンと露出狂、そして価値観変わる

気がついたら5キロやせてました。去年の冬からの数ヶ月間に。うれしい反面、問題はダイエットしてないのに!ということろ。そして、日本にいる間にずいぶん長いことダイエットしていたということ。そういうわけで嬉し、くやし。日本で費やしたあの努力はなんだったんだ!という悔しさです。病気説も疑いつつ元気ピンピンな自分にすぐにその説は否定され、別にちょっと思い当たることが…

言うまでもなくフランスでの主食はパンです。パンと言えば“焼きたてのアツアツ…”と言えば食欲をそそられますが、フランスの食卓でアツアツのパンが供されることは今までのところ私の経験では、ありません。アツアツのパンは酵母がまだ生きているので消化に悪いのだ、言っている人もいましたが、はて、既に数十分は高温のオーブンに入っていたのだし酵母が生きているものでしょうか?疑問も湧きますが、郷に入れば郷に従え。兎に角、彼らは常温のパンを食べます。
それも良いのですが、熱々ご飯で育った一日本人の私としては、一日にせめて一度くらいこのご飯でお腹のそこから温まらないと長く厳しい冬は越せないな、と思ったのです。

ただフランスでは日本のお米は超貴重品!侍の絵の入ったいかにも日本産の「ような」お米やアジア諸国、カリフォルニアのお米は見つかりますが、それでも日本で買う日本のお米よりも高かったりするので、なんだか侍の絵を見て、悔しくなり、きっぱりと(?)インドのバスマティ米の常連さんになりました。バスマティ米というと長粒米。実は日本のお米と違う独特な風味が好きです。ただ日本のお米に比べてずいぶんと粘りも少ないし、ぱさついている感が否めないので、日本風のおかずと一緒に食べるとためにヨーグルトと炊いてしっとり感をだしました。それから、どうしても(無意識ですが)日本のものと比べてしまうので似て非なるものにしてしまおうと、穀物(麦、キヌア、ゴマ、レンズ豆、大豆など)を加えて炊いていたのですが、これがなかなか香ばしくていける!と言うことになり穀物の量がどんどんと増えてゆき…
と、こんな具合におそらく十分な炭水化物を取らずにいた為なのかな?と結論にいたりました。フレンチ・ダイエット??なんちって。

さて、話は変わって、ご存知の方も多いでしょうか?フランスの夏のバーゲンは毎年、6月の最後の週の水曜日からなんですって。“ラッキ-!”です。思わず痩せた、ちょうど良いタイミングでバーゲンの到来!これはもう、どんどん行っちゃうしかない!初日はオスマン通りにあるギャラリー・ラファイエットに朝8時のオープンから駆けつけて…などと日と知れず計画を練っていたのですが、最近一緒に働き始めたフランス人の同年代の女子の話を聞いているうちにそんなバーゲン激突隊計画がなんだかバカバカしくなってしまいました。
というのもその彼女、たとえば靴なら30ユーロ以上のものは買ったことがない。着ているものだって、とっともそうは見えないけれど10ユーロとか、20ユーロのものとか。しかもとっても似合ってる!
最近いろんな国の人と話をして、意見を聞くけれどフランス・ギャルは服装がとってもいい感じ。何でもない日でもかわいいワンピースとサンダルで小物も決まってる!という意見が。そう、フランス・ギャルにはジーンズとTシャツなんて組み合わせは頭にないのだ!ちなみにユニクロ・パリ店のバーゲンではTシャツだけがいつまでもうずたかく残っていたらしい。
そして、何より、〝それ、去年はやったよねー〟なんて台詞もなし。似合うもの、いいものはいい!

※写真はバーゲンで買った散歩用の靴と今年らしい(←フランスでは)帽子。靴20ユーロ、帽子3ユーロでした^^

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森の人たちフランス・ペソンの田園風景

東京は35度を越えることがしょっちゅうだと聞くこの夏の同じ頃、フランスではなんだか急に涼しくなってしまい、ちらほらと「今年は夏がなかったみたい、来年はもっと夏が続くといいなぁ」なんて声も聞こえるこの頃(因みに天気の崩れた今日9月8日の気温は13度)。ワインで有名なブルゴーニュ地方の、これまたミネラル感の高い白ワインで有名なシャブリ(Chablis)から30キロほど東のペソン(Paisson)に住むご夫婦にお招きされて優雅な田舎の2日間を過ごしてきました。

昔の農家を少しだけ改造した家で大きく、白壁(この地方の地質は石灰質でこのあたりの石は自然、白っぽい。この地質がこの辺りのワインにミネラル感を与えていてすっきりした魚介に合うワインを産出しているのです)。森の中に埋まっていて逆からだとまったく見えない。隣は農家だけどそこまでは1キロもある。家の中はカントリーな家の雑誌から抜け出たようでため息がでる。
例によりしっかり飲み、食べ(裏庭~といってもちょっぴり森を開拓した開けたところ~で取れた菜園からの野菜、地元のハムなどなど)のんびりの休日、ああ、なんと言う贅沢。
と、満喫しきった頃、「森に散歩に行ってみる??」お誘いを受けた。せっかくなのでお供することに。

森といえばフランスに来た最初の冬に毎週末入っていた。その頃の目的は狩を見物することだったのだけど、見物とは言え遅れては話にならないし、危険きわまりないと言うので必死で歩いた。ゆっくり景色を見る余裕もなければ、真冬で枯葉も落ちきった森には獣と獣の残した痕跡以外は何にもなかったのは確か。

変わって夏の終わりの森の中。緑がうっそうとしていて、昨日降った雨でまだなんとなく地面が湿っている。となんだか見慣れないものが…フランスのナメクジ。15センチはある…しかもすごい色。やはりこちらでも塩で退治するそうです。実ったばかりのノワゼット(ハシバミ)、素人の私はまったく気がつかないのだけどところどころにキノコが…残念ながらこれらは食用ではないけれど運がよければ杏茸やらトランペット・ドゥ・ラ・モール(trompette de la mort)やら美味なものにありつけるらしい。さらにふと開けたところになにやら白い塊が…これは塩の塊です。冬に狩る獲物にプレゼントのようです…。もう少し経つと胡桃、りんご、野生のブルーベリーや栗などが拾えます。わくわくしますし、なんとも緑に包まれて歩くことのすがしがしさ!!

森の風景
フランスのナメクジ
フランスのナメクジ
ノワゼット(ハシバミ)
森の中

ナメクジ

ナメクジ

ノワゼット(ハシバミ)

きのこ
きのこ
きのこ
塩の塊
きのこ
きのこ
きのこ
塩の塊


赤頭巾ちゃんも、眠れる森の美女も、白雪姫もヨーロッパの昔話は森に関係するものがとっても多い。ああ、彼らは今でも森と生きているのだ。

さて森で拾ったあるもので果実酒を作ってみた。
この緑の実を砕き、砂糖、オレンジの皮、バニラの鞘とアルコールと赤ワインをひとつの保存瓶に入れて時々混ぜながらToussaint(諸聖人の日、11月1日)まで最低でも待つ。甘いアペリティフ(食前酒)にぴったり!!
皆さん、お分かりになったでしょうか?さてその正体は胡桃の実でした。10月辺りになるとこれが熟して地面に落ち、周りが自然に剥がれ落ちるとおなじみのあの姿になるのです。まだ青い衣をまとった胡桃は何とも青々しい、すがすがしい、少しミントに似た香りがして、今年の夏の香りとして、記憶に残りそうです。

胡桃
食前酒作り
食前酒作り


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冬の始まり、泣きっ面にストライキ

今年の冬は早い。冬だ!!と思ったのが9月の最後の週。すごく寒かったわけではないのだけれど天気も悪いし、なんだか空が低い感じがしてなんだか気分が優れない。気のせいか街行く人たちも不機嫌顔。

と、ちょいとした買い物に立ち寄ったモノプリ(←スーパーマーケット)で入り口から入るなりのどなり声。見ると一人の60代とお見受けするご婦人が店員をしかりつけている模様。買い物をしながら(とてもそんな気分になれない程の声量だったけれども)そば耳を立てて聞いているとどうやら30分前から支払いの行列に並んでいて、とうとうカチンと来てそれまでたまった鬱憤を爆発させているらしい。それはすごい剣幕で応対に出た責任者もたじたじ…かと思いきや、見事な逆切れ!!ブラボー、こうして平和なはずの昼下がりのスーパーは大口げんか大会の様相を呈していったのです。それにしても歯ブラシ一本買うのに30分も並んで入られないかな。

不機嫌な人が多いと思ったのは気のせいではなかったのか、天気に左右される国民性なのだと説くフランス人もいました。しかしこれが冬中続いてはたまらない!!

寒くなってきて、さらに先週から退職の年齢を引き上げる法案に対するストライキが始まり、デモもあちらこちらで起こり始めて現在フランスは(特に電車や車で通勤する人には)大変なことになっています。もともと満員電車になれていないからか、自己主張の強い人が多いからか、日本の例えば東京の満員電車の中で見られるような、さり気なく身をかわして沢山の人が乗れるような心遣いもなかなか見られないし、降りたい人、乗りたい人、動きたくない人がみんなしたいようにするので、停車駅ごとに機動隊のぶつかり合いを見るような事態になっていました。

人がギュウギュウ詰めでまるで“ボワット・ア・サルディンヌ”(Boîte à sardine)…いわしの缶詰状態。なるほど。

フランスポスターフランスの近況ついでに最近バス停に張り出されているポスター。最近話題のマーク・レビ(Marc Lévy)さんの本がポケット社(←文庫本専門の出版社でしょうか?)から出た!ということらしい。この作家さんなかなか男前でして(少なくとも私は男前と思う…気になる方はオフィシャル・サイトをどうぞ→http://www.marclevy.info/home.aspx)、その作品の方も、もちろん気になるので読んでみようなど思いながらポスターを眺めていると、気になることが一つ…。

ポスターの左下のほうに“512 pages- 7, 30€”って書いてある。512ページで7.30ユーロ、って。なんだかスーパーの野菜売り場の様だな、という印象。説明するとフランスでは日本のスーパーみたいに野菜が何個か袋に入って100円、なんていう表示がしてあることが多いけどフランスでは袋に入っていたとしてもキロあたりでの値段が表示してあるのです。これは箱入りのお菓子も、紅茶もこんな具合なので重さあたりの価値を計算する場合にはとっても便利なのです。が、重さじゃないだろう!!と心の突っ込みを入れるときもしばしば。

そんなわけで今回のこの本の価値をページ数で測ったかのような表示にはハリセン級の突っ込みをいれたのでした。もちろん心のなかでですけどね。

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あけましておめでとうございます!(2011年1月)

あけましておめでとうございます!
日本でお正月いいですね!やはり日本のお正月は想像しただけでも、落ち着きます。

私は今年もフランスで過ごしました。
日本と比べるとにぎやかで、逆に疲れてしまいました。年明け以降、巷はその反動か心なし静かです。それとお祭り疲れか、風邪を引いてしまった人も少なくはなさそうです。

というのもフランスではクリスマスは24日、25日と家族で、食べて踊っての大騒ぎ。(ちなみに私は24日、25日はブルゴーニュで、年末年始はロアンヌRoanneという中央の方で過ごしました。)

そしてお正月は友達同士でという訳らしく、クリスマスのみんなのはしゃぎ様もなかなかでしたが、年明けはさらに輪をかけてすごかったです。シャンパン、ファアグラ、サーモン、チョコレート、デザートの数々…
特にチョコレートへの熱は驚くほどで、どのスーパーマーケットでも山のように積み上げられ、それがこのお祭り期間中は食卓の上にも。

中には前菜のフォアグラとサーモンを食べて次のメインまでの間にチョコレートをつまむ人まで。要するに羽目をはずして楽しむ、好きなようにするのもお祭りシーズンの醍醐味なのでしょうか??


食べて、飲んで、踊って…12時の鐘とともにBonne année!! Meilleurs voeux!! Que de boheure!! と言い合いながら集まった全員とほっぺにキスをし合って新年を祝います。

こんな風な年末年始でした。

さて、私はもう2,3日待って疲れが取れたら、準備しておいたお餅とぜんざいで、ささやかなお正月気分を味わうことにします。

何はともあれ今年もよろしくお願いします。

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サン・バランタン、愛の取っ手とブリオッシュ(2011年2月)サン・バランタン

「ただいま○○デパートにて長蛇の列に並んでる…」だの「一番高いチョコは自分用…」的なことを友人がツイッターにて呟いているのを読んで、何だっけかなぁと考え込み、ああナルホド、あれか…とにわかに思い出す(そういえば節分だって、ツイッターで知った。ちょいと情けなし)。

今年もやってきました。2月の一大イベント、サン・バランタン!!

サン・バランタン…何のこっちゃと思われる方もいらっしゃるでしょう!つづりは “Saint-Valentin”そう、バレンタインデーです。フランス語読みするとまたエキゾチックな感じを味わえますでしょうか。

実は友人がデパートに並んでいた同日にこちらフランスで私は車を走らせ郊外の大型スーパーへと向かっていました。チラシに乗っていた大安売りのチョコレートを買うために!

実は私はFerrero Rocher(チョコレートのメーカーで日本でも輸入食材の強いスーパーに置いてありました。直径約2cmのヘーゼルナッツ入りのミルクチョコレーと !miam !!)が大好物。それは置いといて…日本ではさぞかしチョコレートがうずたかく積まれ、猫も杓子も…と言った具合だろうと思いを馳せながら、フランスでは…というと細々と安売り…。それもそのはず、クリスマスから年末にかけてとどこに行ってもチョコレート。果ては食卓の上にも常時抜かりなくチョコレート。というわけでその時のおこぼれに今になって私が飛びついているわけです。

フランスではバレンタインはチョコレートではない!では何なのか?というわけで早速街角インタビューです(知り合いに質問をしたということです^^ ;) 。

私はカップル達はこの日、必ずレストランでロマンチックな食事をするもんだと思っていたのですが、必ずしもそうではなく今回質問させてもらったフランス人男性によると、それは最初の年だけで2年目はバラの花束だよ、と。因みにレストランに行く場合のお支払いはこの日は特に男性の役割!まあ、皆さん色々とプランを立てられるのでしょう。とにかくバレンタインデーは恋人たちの祭典…そうでない人は…取り合えず私は忘れていたくらいなので、ね。

話はそれて…大きくそれますが“愛”つながりという事で少し恋のフランス語を見てみましょう(いつかは役に立つかも知れないし…なんて)。

ちょっとお腹周りにお肉が付いてきて浮き輪のように…なんていうと日本ではあまり好かれないと思いますが、フランスではこれはセクシー!なのですって!!

その名も“la poignée de l’amour”読み方はラ・ポワニェ・ドゥ・ラムール意味は愛の取っ手。思わず笑うのを堪え、ほかにはないのかとたずねるとbriocheブリオッシュ、と。

マリーアントワネットは飢える民衆に対して「パンが無ければブリオッシュを食べればいいのに」と言ったとか言わなかったとか。ブリオッシュとは、外皮のしっかりしたいわゆるフランスパンに対して、バターがたっぷり入った柔らかい生地の、ふんわりとしたパンの事。これ実はお腹の皮下脂肪の事、だそうです。どちらも負けず劣らずセクシー、だそうです。そういうことを熱く語るフランス人回答者に脱帽!因みに今回この文化的に非常に意義のある質問に答えてくれたのは、パリの大学で日本語を勉強する学生さん19歳。19歳でこの貫禄のある答え…脱帽です!!

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アメリカのテロから10年、東日本の震災から180日(2011年10月)

9月11日にアメリカでのテロから10年、地震から半年と報道がありました。

あっという間の半年でした。その間フランスでは最初のころは地震についての報道がありましたが、まもなく戦争、クーデターなどの世界の政治的な動きのほうの報道が主になり、どうも忘れられた感がありました。しかも初期段階の報道も日本のように、どのチャンネルをつけてもそのことばかり、ではなく報道メインの番組で世界の中のいちニュース、として取り上げられていたのでそれほど時間を割かれていたわけでもないようでした。

また報道の中でメインで流れるのはやはり津波の映像で、それは流石に衝撃的だったので道ですれ違うフランス人にも、大変なことになったけど大丈夫か?とか家族はどうだ?との質問などされました。同時に影響を嫌ってか被災地の映像よりも長く詳しく報道があったのは原発の事故でした。ヨーロッパ各国での電気の確保の方法に対して今後の大きな問題提起になったようです。それから個人で募金箱と折鶴を用意して商店においてもらう人、日本人学校の方が募金をされたり、親日派のフレンチ・レストランでチャリティー食事会があったりしたようです。

日本に住んでいたフランス人は日本にいると被爆してしまうからと大慌てで特別機をお手配、本国フランスに避難したりとそれこそ這這の体だったと聞きました。

時々フランス人からの質問で、どうして日本人はあんな大変な目にあっているのにヘラヘラとしていられるのだ、と。それは被災地でインタビューに応じている方々を見ての質問だったのでしょう。しかしどこの局のインタビューだったのか分かりませんが、それは被災地の中心ではなかったと思います。一目散に“逃げてしまう”民族が危険を冒しての報道をしなかったからではないかと思いました。

“ヘラヘラしている”…受け入れがたいほどの惨状で引きつり笑い、皮肉な笑い、苦い笑いという微妙なニュアンスはどうやらフランス人には理解できなかったようです。さらにフランスは地震のない国なので、一瞬で起こる惨劇に直面するということに想像も及ばないのでしょう。

ある方に、あの状況で落ち着いている日本人は凄いといわれました。確かに電車がホームに入ってきても降りる人を優先することもなく、降りたい人は降りる、乗りたい人は乗ると非効率な衝突を繰り返すフランスの人達では大パニックになって惨状を助長するだけかもしれないと思いました。

日本人は人に気を使う(作り笑いをする)、羞恥心があるため引っ込み思案になりがち、と海外ではコミュニケーションの妨げになりうる特徴があると思うのですが、私は、これは美徳だと思いました。

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海外便り「フランス編」(2020年4月1日)

海外便り「フランス編」です。フランス在住の仏語学科卒(H.15)の水口洋子さんから寄稿いただきました。


フランス・パリで開催のメゾン・エ・オブジェ展示会場内にて。
4名全員外大卒です!左から二人目が筆者。




皆さん、こんにちは。
平成15年秋フランス語学科卒の水口洋子と申します。
学生時代はフランス語研究会に所属、4回生から派遣留学生としてパリ政治学院に一年留学したことは一番記憶に残っている貴重な経験です。 卒業後は郵船航空サービス株式会社営業部へ就職。結婚を機に中国上海へ。
中国語を習得しながらあっという間の8年の上海滞在を経て2014年から夫の出身地のフランスで暮らしています。現在はフランス北東部シャンパーニュ地方のランス市で家族四人で畑仕事をしながら暮らしています。歴代フランス国王の戴冠式が行われた大聖堂、藤田レオナール嗣治画家のチャペル、そして地酒のシャンパンのカーブなどが有名なランス市は名古屋市との姉妹都市提携も行われました。普段は国際見本市での通訳やシャンパンカーブでの通訳のお仕事を頂きながら日々勉強の毎日です。

さて今回の世界規模のコロナウイルス蔓延に、こちらでも少しずつ深刻度が増しています。
フランスー日本間のフライトは日系航空会社は3月29日から4月末まで運行ゼロがほぼ確実に、エールフランスも世界のフライトの9割を停止するとのことでした。

外出自粛令と学校閉校の期間は3月16日から2週間との通知でしたが数日以内にマイクロン大統領から5月4日迄というのが発表がされるものかと思われます。この学校閉鎖について9月までの延長も視野に入れていると教育相がラジオで発言しています。

企業も自宅勤務に転換していますが不慣れなこともあり家庭内でクオリティのある同じ量の仕事をするのも容易ではありません!
今週から3週目に入った休校と自宅勤務というリズムですがやっと各自の生活のリズムが整ってきた印象です。
中学生の子供達も慣れないインターネット授業に戸惑うことが多かったようですが現在は自主的に頑張っているようです。

フランス人の友人には「フランス革命と比べればそんなに残酷ではないよ。」っとさらりと言われてしまいました。
博愛精神溢れたフランス人の行動も注目されるようになってきました。このような状況で団結して乗り越える精神も含めて感染拡大国だけでない本音のフランスを皆様にお届けできればと思っています。

日々の健康と平和をありがたく感じる毎日です。
皆様もどうかご自愛ください。



シャンパーニュ地方で畑仕事も楽しんでいます

(以上)

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海外便り「フランス編」(2020年7月7日)

卒業生の皆さん

フランスにおけるコロナ感染拡大を受けて外出禁止令が解除されてから一か月が経ちました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

飲食業再開や映画館の開館などが自由を奪われたフランス人の心の癒しになっているように感じます。ただし10名以上で集まることは基本的に控えるようにとの指示が出ていますが、週末になると、ホームパーティの賑やかな声がよく聞こえるようになり、やはり予測より早く第二波は避けにくい状況だと思わざるを得ません。

この時期の国内旅行に伴う移動が加速することもこの第二波に影響を与えることはほぼ確実視されています。ちなみに年明けから亡くなられた方の総数はフランス国内と海外領土圏を合わせ約三万人と報告されています。感染者数も気になりますが何よりフランス人の行動の変化が顕著なことも日々の生活を通して感じています。

日本人には馴染みのあるマスクもこちらではコロナ前は不審者扱い又は重病患者として見られ、堂々と身に着けられませんでした。現在はマスク着用兼相手との距離を保ちしかも更に列をなすフランス人を眺めながら世界が大きく変わったなと実感しています。私の住むランス市で言えばこちらのマスク着用率は商店内ではほぼ100%です!

「ビズ」といわれる頬同士を当てる挨拶や握手も見かけることがなくなりました。これができないことは、フランス人にとって我々が想像するよりはるかに苦痛のようです。留学当初、風邪を引いている友人とビスを交わしその後に風邪をひいていると伝えられたことがありさすがに驚きました。私はこの状況ではビズの文化は当分お預け頂きたいと密かに願っていますが口が裂けても現地の友人には話せません。

子供たちが通うフランスの中学校では6月上旬から希望者のみグループ制での登校が開始され、先週から全員義務化されました。毎朝、校門前に立つ教師の前で消毒ジェルで手洗いをし、一日中マスクの着用が義務化されています。昼食後に新しいマスクに交換することも義務化されていて、替えのマスクもしっかり準備しておかなくてはなりません。毎回の休み時間後も担任の前でジェルでの手洗いが義務づけられています。

そして7月といえばフランス人が一年で最も待ちわびる夏休みです。数か月前から予定を具体的に組むのがフランス流の楽しみでもあります。今年は国内移動規制が解除されるまで計画の目処が立たずこの楽しみの期間も短くなったと不満顔だった友人も今は休暇用の買い出しに大忙しです。共働き世帯の家庭では2か月の休暇中は子供を2週間祖父母宅に預け、その後2週間学童へ、そして残りの2週間を家族水入らずで保養地で過ごすことが多いようです。学校は2か月のお休みですが親の夏休み休暇は約2週間が一般的です。

次回は意外なフランス人の行動や考え方など少し面白いテーマを考えています。
私自身も日本にいつ向かえるのかが不透明ですが、フランス流に今という現在をエンジョイすることにフォーカスしています!畑では今年一番のズッキーニの収穫を迎えました。3か月苗を育ててからの成長ですので幸せを実感しています。



アーティチョークと、玉ねぎ、じゃがいもです!


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海外便り「フランス編」(2020年9月30日)

卒業生の皆さん

フランスの水口洋子です。
9月からフランスは新年度が始まりました。
今年は政府のリモートワーク推奨が継続されていますので友人の中でも来年3月まで在宅勤務だと言う人たちも珍しくありません。学校もなんとか再開され子供達も社会性や社交性が癒らせているように感じます。

今回はフランス人の意外な言動についてご紹介したいと思います。日本に住まれている方には愛想があるなど余裕をもって楽しんで頂けるかと思います。海外でフランス人と仕事をされている方には笑えない言動かもしれませんがこの投稿で少しでも笑顔が自然にあふれる一日になりますようにそう願っています。

其壱: フランス人は靴下はOOにしまう。
最近は玄関先で靴を脱ぐフランス人家庭も増えてきているように思います。
この点に関しては日本出身者としては大歓迎なのですが靴を脱いだ後の行動に驚かされるわけです。なんと靴下を脱ぎ、今脱ぎたての靴の中にしまうのです。理由は、数時間しか履いていないので洗うに値しない等々ですが、理論的に議論が好きなのに全く理性を感じない行動なのです。衛生概念はやはりお国それぞれですね。

其弐: フランス人は人を変えようとしない。イコール 自分流を生涯貫く。
年配のご夫婦のお宅に呼ばれたとき、一貫しているのはお互いを変えようというような考えが全くないようです。意見が不一致なのは問題ではなく、その不一致だということを認識することに重点を置いているようです。「君はどうしてこう考えられないの?」ではなく、「君は、いつもそう考えるけど、私は全く賛同しないよ。」そして友人の私には「他人から人間を変えることはできないでしょう。他人も自分もただの人間。」と旦那様が笑顔でウインク。不満そうなそぶりはご夫妻は一切なくそのままシャンパンで「個性に乾杯!」と楽しい宴が始まるわけです。長年連れ添ったご夫妻の生きる秘訣を感じた瞬間でした。

其三: フランス人の苦手なもの 罰金
今年罰金が科されないはずのに個人個人が自主的な外出禁止を行っていた日本と違い、フランスでは罰金制度がない限り個人の自由を制限するような政策はあまり成果が見込めません。フランス人は政府に対して国民として常に監視していますので自分たちの不満という部分に関してはどの社会階層であっても自由に表現することが日常化しています。

また政府としても様々な反対運動への対応は朝飯前ですが、今年は経済への不安から政府も国民の暴動はどうにか免れたいという想いが伝わってきます。市内でのマスク付着用に対して罰金が科せられるという報道がされた時点でも政府はかなり全国民の協力を求めるように論調が特に見られました。この報道からやっと日常的にマスク着用し始めたフランス人。バラ色の人生といって、外出禁令発令の前日に盛大にパーティーをするのはもう勘弁!というのが本音ですが今後少しでも体調不良の方々が減少することを願っています。

それでは皆さん、どうぞご自愛ください。



畑の冬野菜の春菊と小松菜
隣人の留守中に世話をしているカモと鶏達です


パリの病院にて医師看護師の皆さんに指圧をしに行きました。


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海外便り「フランス編」(2021年1月12日)byフランス語学科卒 水口洋子

卒業生の皆さん!

新年の第1便です。

新年あけましておめでとうございます。
昨年は多くの方が不安や迷いの多い一年ではなかったでしょうか。

こちらフランスでも現在においても不安定な状況が続いています。自由の精神が国家の柱の一つであるフランスでは、予防接種も一筋縄ではいきません。更にどの政権のどの政策であっても必ず大きな批判を生むお国柄ですので現在の政府対応には国民の信頼はとても低下しているのが現実です。

フランスを象徴する美術館、レストラン、カフェ等の閉館、閉店も今月末まで延長が決まり、来週から全土で夜18時以降の外出禁令が発令されるかもしれないと寂しいニュースが続くフランスですが、ではフランス人は一体どのようにこの時代を乗り切っているのか周りに尋ねてみたところ意外な回答が!ということで、その回答の中から一部をご紹介したいと思います。

-とりあえず自宅でカラオケ大会
「カラオケは日本語なんだよー」と留学時代にクラスメイトに紹介していたのがうそのような時代になったようです。フランス人にとってカラオケが益々身近な娯楽になったようです。テレビのCMでもインターネットに接続可能なマイクの広告が流れているほどですので昨年のクリスマスプレゼントでカラオケ用マイクを受け取ったフランス人が多いかもしれません。

因みに友人はビートルズやジョニーハリデーの曲を歌い心を癒していると言っていました。普段はイギリスの話になると芸術や食文化への優越感と王室への嫉妬感(自分たちは国王をギロチンし続けたにも関わらず!)を抱くフランス人ですが平和を願う曲などは国境はありません。また世界中の歌手の歌声は大変な時だからこそ特に胸に沁みているのだと思います。ただ一般的にフランス人は詰めの甘い人が多いので近隣住民の騒音対策までの配慮の有無が気になります。。。


-とりあえず自宅で 乾杯!
フランスではアペリティフという文化があります。夕食の前にバゲットに軽くパテを塗ったものやサラミを切ったもの、野菜スティックなどの軽食を準備し食前酒を楽しみます。こう表現すると15分ほどで終了するようなイメージを想像される方も多いかもしれません。が!しかし、おしゃべり好きなフランス人のアペリティフは1時間もしくは1時間半以上(2時間以上という辛い経験有り)続く場合もあるのです。生活のスピード感の違いがよくわかっていただけるのではないでしょうか。コロナ前の友人宅にてご招待頂く場合は夕食が到着の3時間後ということも日常茶飯事でした。子供はもちろんアペリティでお腹いっぱいで夕食が始まることには疲労感溢れる視線で親を見つめています。。。去年はこのように招待し合えなくても親しい友人や家族とオンラインアペリティフで繋がりと感じたフランス人が多かったようです。ただお店の閉店時間を気にしなくてもよいためついついお酒を飲みすぎるそうです。因みに友人とのオンラインアペリティは夜9時から朝の2時まで続いたのでした。。。私はほぼ緑茶しか飲んでいませんでした!


-とりあえず、地図を広げてみる
地方間の移動の禁止や完全なロックダウン、国境封鎖を経験したフランス人がやっていること。。それは地図を広げて、将来の夢の旅行や休暇の予定を家族で練っているのです。フランス人にとって夏季休暇、冬季休暇は義務といってもよいでしょう。ワインの次に人生になくてはならない要素なのです。因みに休暇明けの一日目の職場はほぼ仕事は進まず各自がバカンス思い出発表会を繰り広げます。国内旅行が中心のフランス人の休暇が自国経済の重要な役割であることは政府も理解していることもありロックダウンや外出禁止令の発令時期の調整は困難を極めるとカステック首相がラジオで話されていました。また休暇中に祖父母宅へ遊びに行くのが伝統でもあるのがフランスです。一日でも早く家族同士の集まりが不安なく過ごせ絆を感じ合い年齢関係なく多くの人が早く元気を取り戻せるよう願っています。

「辛い時程、何が提案できるのか、そしてまずは動く、そして成長する」とは、私の住むランス(Reims)市でミシュラン星付き日本人シェフ田中一行さんの言葉です。私もこの言葉を胸にフランスの良いところを引き続き発見し体験していきたいなと思っています。

それでは卒業生の皆さん、ご家族、そしてご友人皆様の安全を心よりお祈り申し上げます。



フランスのクリスマスケーキ ブッシュドノエル



クリスマスディナー定番の海鮮料理



指圧師として働く診療所の玄関

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