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「異文化間就業力の育成」を目指して、12月11日(土)、森田記念講堂で記念シンポジュウム開催



記念シンポジウム「異文化間就業力の育成」を考える記念シンポジュウムが、12月11日(土)午後、京都外国語大学・森田記念講堂で開かれた。将来、グローバルビジネスを遂行できる異文化間就業力を身につけた高度な人材育成を行うために、大学が今後どう取り組み、学生はどう努力をしていくかを考える貴重な機会となった。

「異文化間就業力」とは何か?第一に、社会文化的背景が異なる組織において、異文化間問題を発見する感性やコミュニケーション能力、問題解決に向け共に取り組む行動スキルの習得が挙げられる。次に、日本文化や日本人であることに自信と信念を持ち、摩擦や対立から調和への変容を起すことができる能力をいう。この能力育成のために、海外フィールドワークとして交流協定校の学生との協働調査活動を行うこと。海外インターンシッププログラムとして、cross-culturalな環境下で人的ネットワークを構築しつつ異文化間就業力を養おうというものである。

シンポジュウムでは、松田武学長が冒頭の挨拶で、外大に相応しい国際色豊かなキャンパス作りとこれを通じて日本のソフトパワーの一翼を担う、ことば+ワンの人材育成に力を注ぎたいと訴えた。更に、知性・品性・感性を磨き、外国語運用能力、コミュニケーション能力、問題解決能力を備えた人材育成に向けた取り組みに意欲を見せた。

その後、元外務事務次官の谷内正太郎氏が「アジア太平洋時代の日本外交」と題して基調講演を行ったのに続き、パネルディスカッションでは、外務省、日本貿易振興機構(JETRO)、国際協力機構(JICA)の代表者が自身の海外での経験に基づいた「外国籍人材との協働」について報告があった。JETROの代表者は、ジェトロが求める人材として、第一に、日本の中小企業400万社の海外市場の開拓・展開を一緒に支援できるようなチャレンジ精神、第二に質の高いサービスを共に考え作り出すcreativity、第三にチーム一丸で取り組む姿勢と気概を強調、新規採用学生には採用が決まったときから、教育研修をスタートするとの紹介があった。

出席していた学生の一人にたまたま話しかけてみたところ、ニカラグア大使館にこのほど、インターンシップの機会があったとのことで、今回のシンポジュウムがひとつの契機として新たな世界と分野により多くの学生の目が向いてくれるものと確信した。
当該事業を推進するキャリアサポートセンターは、その達成目標・成果として、「専門語教育やキャリア教育の資源を活かして、従来からの座学中心の留学という枠を超えて海外の現地学生と協働してフィールドワークを遂行することや海外企業でインターンシップを行うことで実学的な見地からグローバルビジネスに対応できる異文化間就業力を備えた高度人材育成を目指す」としている。

外大にとって、2010年は「異文化間就業力の育成」元年である。記念シンポジウムやっとその堵についたところで、今後、海外現地調査を進めながら、事前研修、国内・海外でのインターンシップ、事後研修を経て、その成果を目指す。毎年、首都圏に向けて就職を希望する外大生が増える中、東京支部でも大学、校友会、キャリアサポートセンターとの三位一体化を図った取り組みを検討し深めたいと考える。

次回の記念シンポジュウムの案内
名称:「異文化間就業力の育成」シンポジュウム
日時:2011年1月29日(土)15:30〜17:30
会場:京都外国語大学 森田記念講堂
基調講演に内閣総理大臣ご令室の管伸子氏を招いて開催。参加費は無料。

(写真・文 利根川正則)





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